満足と不満足は要因が異なる 給料は下げるとモチベーションを大きく下げることになるが、上げたからとってモチベーションが大きく上がるとは限らない。

■ 満足と不満足は要因が異なる

人事_1436433243 これは、仕事の満足に関わる要因(動機づけ要因)と不満足に関わる要因(衛生要因)は別のものであるとする考え方である。

 仕事の満足度に関わる動機づけ要因には、「達成すること」「承認されること」「仕事そのもの」「責任」「昇進」などが挙げられている。

 これらが満たされると満足感を覚え、モチベーションアップにつながるが、欠けていても仕事に対する不満足やモチベーションの低下に直結するわけではない。

 一方、仕事の不満足度に関わる衛生要因には、「会社の政策と管理方式」「監督」「給料」「対人関係」「作業条件」などが挙げられている。

 これらに違和感や嫌悪感を覚えると仕事に対する不満足やモチベーションの低下を引き起こすが、違和感や嫌悪感を覚えなかったとしてもモチベーションアップに直結するわけではない。

 人間が仕事に満足感を覚え、モチベーションが上がる時、関心は仕事そのものに向いているが、人間が仕事に不満を感じ、モチベーションが低下する時、関心は作業環境に向いている。

 ハーズバーグは研究の結果、以上のように述べている。

 冒頭の「給料を上げれば、人が育つか」という点に関して言うと、給料は二要因理論で言うところの衛生要因である。

 そのため、給料は下げるとモチベーションを大きく下げることになるが、上げたからとってモチベーションが大きく上がるとは限らない。

 「基本的に指示待ちで、自らの頭で考え、動こうとしない」「積極的、主体的に仕事に取り組もうとしない」「経営者やマネジャーの視点から物事を考えない」といった部下の状況は、給料を上げればそれで解消するかというと、決してそうではないと感じる方が多いのではないだろうか。