「不満、10円で買い取ります」クレームは宝の山、逆転発想の新ビジネス

「不満、10円で買い取ります」クレームは宝の山、逆転発想の新ビジネス

prm1502280008-p1 顧客からのクレームや不満を事業に生かす企業が都内で増えている。消費者から買い取った不平不満を企業に売り、商品開発などに役立ててもらうサービスが評判だ。顧客相談窓口で集めた声を商品改良につなげる飲料メーカーもある。忌避されがちだが、ビジネスを成功に導く「宝の山」として見直されている。

 インターネットを通じ、商品やサービスへの不満を1件10円で買い取ります-。「不満買取センター」(東京都新宿区)は、消費者から集めた不平不満を、事業のアイデア探しなどに困っている企業に売り込むビジネスを展開している。

 不満を売りたい人は同社のホームページで無料の会員登録をして、内容をメールで送る。毎月約5千件を上限に、1人当たり50件まで受け付け、買い取り料金は銀行振り込みで支払う。特定の企業や商品を名指しした不満は買い取らない。

 不満は飲食店や宿泊施設、美容、通信販売などの業種別に分類される。1千件の不満を載せた冊子(1冊5400円)にして、中小企業や自営業者向けに販売している。

 不満の内容は一見平凡でも、活用する企業にとっては事業のヒントになることが多い。都内のあるレストランは「来店したのに貸し切りで入店できなかった」という声に注目し、混雑などで店に入れなかった客に、割引クーポンを配布して集客につなげている。

 不満買取センターの森田晋平社長は「不満は世相を反映し、ビジネスの方向性を決める宝の山。できるだけ、生の声を提供している」と話す。

 今後は、集めた不満をデータベース化し、条件に応じて検索できるシステムを開発する方針という。

 一方、飲料大手の「伊藤園」(東京都渋谷区)は、お客様相談室が年間4万件以上に上る商品への問い合わせや不満、クレームにきめ細かく対応し、商品開発や改良に生かしている。集まった声を項目別に分類し、グラフ化。商品への不満や要望を月間報告書にまとめ、商品開発や営業の担当者らが参加する「ドリンク開発会議」に提出している。

 「充実野菜」など主力の野菜飲料では「どこの産地の原料を使っているのか」という疑問を受け、平成19年から、原料の野菜や果実の原産地を全て容器に表示しているという。

 容器のラベルに目盛りを付けてコップ1杯分の量を分かりやすくしたり、ラベルを切り取るミシン目の間隔や穴の大きさを調整し、はがしやすくしたりもしている。お客様相談室主任の村田絵里子さんは「顧客目線で、商品の工夫を促す代弁者の役割を心掛けている」と話している。

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 ●不満買取センター 法人登記簿や会社のホームページ(HP)によると、平成24年6月に設立された株式会社で、資本金は500万円。本社は東京都新宿区新小川町。インターネットや携帯情報端末などを利用したコンテンツの買い取りと販売などを手掛ける。

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