「美少女キャラ」にセクハラ批判 町おこし不発

exf15122708000001-p1 exf15122708000001-p2 exf15122708000001-p3 exf15122708000001-p4

「美少女キャラ」にセクハラ批判 町おこし不発
2015.12.27 08:00

三重県志摩市と岐阜県美濃加茂市は、いったん採用した美少女キャラクターの公認撤回やポスターデザイン変更を相次いで決めた。町おこしを狙ったが、「セクハラ」批判を浴びたためだ。うまくコラボして成功している例もあるだけに、自治体の担当者の中には「誰にどう配慮すればいいのか」と困惑する声も上がる。

自治体公認も「性的で不快」

来春に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控える志摩市。「若い人への海女文化の発信や、地域おこしのために」と公認したのは海女のキャラクター「碧志摩(あおしま)メグ」、設定は17歳の少女だ。イベント企画会社が制作した。

ところが、キャラクターを周知するため、市内でポスターなどを掲示すると、はだけた磯着から露出した脚や服の上から形がわかる胸の描写に、「性的で不快」と現場の海女らから批判が集中。市は11月、公認を撤回した。

岐阜県美濃加茂市では、地元が舞台のアニメ「のうりん」のキャラクターを使った地域おこしに取り組んできた。ところが、市内の飲食店などをめぐるスタンプラリーのポスターを11月、観光協会のツイッターに投稿すると「胸を強調したキャラクターが不愉快だ」とインターネットで炎上。市は掲示していた店などに撤去を要請、ポスターの絵柄も変更した。

「のうりん」は農業高校に通う生徒たちの日常を描いた学園ラブコメディー。過激な描写もあるが、市は作品を「農業を真面目にとらえている」と考えてきた。

ただ、不特定多数が閲覧できるネットでは反応が読みづらく、美濃加茂市産業振興課の担当者は「批判が抽象的な場合もあり公的機関の判断は難しい」と話す。

志摩市観光戦略室の担当者も「ネットだと市民以外の声も集まり、ささいなことが大きな問題に発展してしまう」と対応の難しさを語った。

「一般的な意見に理解を」

一方で、埼玉県鷲宮町(現久喜市)は、2007年放映のアニメ「らき☆すた」の舞台になったことをうまく町おこしに取り入れ、成功した。女子高生の日常生活をまったりとした作風で描き、作中に登場する神社のモデルになった鷲宮神社は初詣も人気。放映後の08年は、前年を17万人上回る30万人が参拝。地元の祭り「土師祭」ではキャラクターがあしらわれたみこしを、ファンが担いで盛り上がる。

男女共同参画に詳しい静岡県立大の犬塚協太教授(ジェンダー社会学)は「男性が提案した案なら、さまざまな年代の女性から意見を募るなどして『一般的な市民』の意見を幅広く理解することが大切」と指摘している。

三重県志摩市
岐阜県美濃加茂市
埼玉県鷲宮町