新潟・南魚沼市がITパーク構想 インド企業など誘致へ

新潟・南魚沼市がITパーク構想 インド企業など誘致へ
2015/12/8 11:49日本経済新聞 電子版

 南魚沼市が海外のIT(情報技術)関連企業を集める産業拠点、ITパーク構想を進めている。インドとスリランカの企業を誘致し、成長が見込めるIT産業を軸に地域の活性化につなげる。同市によると、海外のIT企業を対象にした産業拠点は全国初という。市内にあり留学生の多い国際大学との連携を生かす考えだが、実現性や効果はまだ不透明だ。

 「海外から留学生が多く集まる国際大学が近いため、語学や生活面でも支援します」「新幹線で約1時間半で東京からオフィスに到着します」。南魚沼市の商工観光課では若井勉主査ら担当者が、年明けのインドやスリランカで開くITパーク構想の説明会に向けた資料を作る。

 ITパーク構想には、市町村合併を経て南魚沼市になった旧大和町の庁舎の1階部分を活用する。250平方メートルのフロアを16ブースに区切り、IT企業が多いインドやスリランカの企業を16社誘致する計画だ。

 16年度予算案に約2千万円を計上し、16年4月に旧庁舎を改修。16年夏ごろの稼働を目指す。進出企業には市内の平均的な事務所賃料より3~4割安い賃料で提供するほか、税制面での優遇措置も検討する。

 企業誘致には、スリランカ出身の国際大卒業生が設立したコンサルティング会社、アダムイノベーションズ(東京・港)の力を借りる。

 現在、同社は約40社の中から誘致を働きかける企業の選定を進めているが、医療や薬品、農業などのソフトウエア開発企業を中心に3月末までに決める予定だ。来年1月下旬にはさらに有力企業を募るため、インドのケララとデリー、スリランカの最大都市コロンボの計3都市のホテルで進出を募る説明会も開く。

 説明会では上越新幹線で東京に直行できる交通の利便性や、海外から多くの留学生が学ぶ国際大の存在などの利点を売り込む。

 また進出企業に対する住生活面の支援では、国際大と連携。進出企業に日本市場について助言したり、日本での社員の生活を支援したりする。年明けにも同社と南魚沼市、国際大学がITパークの設置に関する協定を結ぶ予定で県も南魚沼市への支援策を検討している。

 同市は20年までに100社以上の企業集積を目指す。市商工観光課の腰越勝利・商工主幹は「新産業や雇用の創出につなげたい」と意気込む。市は将来、ITパークで生まれた研究開発の成果を県内企業が事業化したり、日本人の若いIT技術者の創業にもつながったりすることを期待する。

 南魚沼市の15年11月時点の人口は5万8950人とこの10年間で6%減った。国立社会保障・人口問題研究所では40年に4万8021人まで減ると予測しており、対策が急務だ。

 同市は人口増の取り組みとして、大都市の高齢者の移住促進構想「南魚沼版CCRC」も推進。約200世帯、400人ほどが住む日本版CCRCの設置に向けて準備が進む。

南魚沼市